冬のある朝、ふたりは馬車での雪見に出かけた。静かに舞い落ちる雪の下で、初めて素直に向き合えた清顕と聡子は、どちらからともなく自然に口付けをかわした。それは永遠とも思えるような美しい時間だった。
そのころ綾倉家では、宮家の王子・洞院宮治典王と聡子の縁談が持ち上がっていた。没落寸前の綾倉家にとって、宮様との縁談は家名復興のまたとない機会である。清顕の気持ちを必死に確かめようとする聡子だったが、あるすれ違いが理由で連絡も絶ち突き放したような態度をとる清顕。失望した聡子は、ついにこの縁談を受けてしまう。
間もなく勅許がおり、聡子の結婚が決まった。宮家との婚約は決して取り消せないものだ。聡子がもはや自分のものにはならないことを知った時、清顕は、初めて彼女への愛の深さを自覚した。聡子への想いが堰を切ったように溢れ、ただ聡子の愛を取り戻したいと願う。一度は清顕への想いをあきらめた聡子も、次第に彼の愛を受け入れ、二人は激しく愛し合う。しかし、それは許されぬ“禁断の愛”。二人は人目を忍んで密会を重ねる事でしか、幸福な時間を共有出来ないのだった。
そして、松枝清顕と綾倉聡子にとって悲劇の幕開けともいえる、“ある事件”が迫ってこようとしていた……(Wikipedia)
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